中小企業のセキュリティ診断とは?無料でできるチェック項目と進め方【2026年版】

中小企業のウェブサイトのセキュリティ診断のイメージ。ノートパソコンでサイトを点検し、盾のアイコンと信号機の色(緑・黄・赤)で状態を表す。

 「うちのような中小企業でも、セキュリティ診断は必要なのだろうか」——そう感じている経営者の方に向けて、この記事を書いています。

 私はMintSparkで情報処理安全確保支援士として中小企業のセキュリティ支援を行い、無料診断ツール「coremeo-check」の診断項目そのものも設計しました。その立場から、専門知識がなくても自社でできるセキュリティ診断のチェック項目と、IPAのガイドラインに沿った進め方を、できるだけやさしく整理します。

目次

中小企業こそセキュリティ診断が必要な理由

 攻撃者は、企業の規模を選びません。むしろ、対策の手が回りにくい中小企業ほど、自動化された攻撃が「開いている扉」を機械的に探しにくる標的になりやすいのが実情です。とはいえ、いきなり大がかりな対策を考える必要はありません。まず「自社が今どんな状態か」を知ることが、すべての出発点になります。

 国も中小企業の対策を後押ししています。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は、中小企業向けに「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」を公開しており、2026年3月27日には第4.0版が公開されました(出典:IPA)。公的な指針が整っているいまは、中小企業にとって対策を始めやすいタイミングだといえます。

セキュリティ診断とは(自社でできる範囲・専門家に依頼する範囲)

 「セキュリティ診断」と一口に言っても、大きく2つに分かれます。一つは外部から見える範囲の確認、もう一つは内部を含む本格的な診断です。

 外部から見える範囲とは、ブラウザで普通にサイトを開いたときに確認できる公開情報のことです。ここは専門知識がなくても、無料ツールで自分でチェックできます。一方、サーバー内部の設定やプログラムの弱点まで踏み込む本格診断は、専門家の手を借りる領域です。

 本記事で扱うのは、まず自社でできる「外部から見える範囲」の診断です。ここを整えるだけでも、狙われやすい状態を避け、取引先や顧客の信頼を守ることにつながります。

無料でできるチェック項目(7項目)

 私たちが提供する無料診断ツール「coremeo-check」は、外部から見える範囲を、次の7項目で確認します。全体像は7項目で何がわかるか・何がわからないかにまとめています。

セキュリティ診断のチェック項目(メール認証・HTTPS・WordPress・保護)
  1. なりすましメール対策(SPF / DKIM / DMARC):自社を騙るメールが取引先に届きにくくなる、ドメイン側の設定です。Gmail・Yahoo!は2024年2月以降、すべての送信者にSPFかDKIMを、1日5,000通以上の大量送信者にはSPF・DKIM・DMARCの3点を求めています(出典:Google)。
  2. WordPressの公開状態(攻撃面):ログインIDやバージョン情報など、攻撃の手がかりを外に出しすぎていないか。
  3. セキュリティ応答ヘッダ:ブラウザに「安全側の振る舞い」を指示する設定が入っているか。
  4. HTTPS(通信の暗号化):通信が暗号化され、「保護されていない通信」と表示されていないか。
  5. 混在コンテンツ:暗号化されたページ内に、暗号化されていない読み込み(http://)が混ざっていないか。
  6. TLS証明書(有効期限・発行統制):証明書が有効か。例えば、無料証明書の Let’s Encrypt はデフォルトの有効期限が90日で、自動更新の運用が前提です(出典:Let’s Encrypt)。
  7. ブラックリスト診断(迷惑メール・脅威リスト):自社のドメインやメール送信元が、迷惑メール・脅威のリストに載っていないか。

 各項目の詳しい解説は、なりすましメール対策(SPF/DKIM/DMARC)WordPressの公開状態通信の暗号化(HTTPS・証明書・混在コンテンツ)応答ヘッダとブラックリスト診断にまとめています。

 これらの結果を、どんな基準で「良好・注意・危険」と判定しているのかは、診断の評価基準で公開しています。数値の裏側まで開示しているのは、診断そのものの信頼性を大切にしているからです。

IPAガイドラインに沿った進め方

 自社の状態を把握したら、次は改善です。IPAのガイドライン第4.0版では、従来の「情報セキュリティ5か条」に「バックアップを取ろう!」が加わり、6か条になりました(出典:IPA)。まずはこの6か条を、自社の状況に合わせて一つずつ確認していくのが現実的です。なかでも、パスワードの使い回し対策と多要素認証(MFA)は効果が大きく、中小企業のパスワード管理と多要素認証(MFA)で具体的な進め方を解説しています。

 また、IPAは「SECURITY ACTION」という制度を運用しています。これは、中小企業が自ら情報セキュリティ対策への取り組みを自己宣言する制度で、取り組みの段階に応じて、一つ星と二つ星の2段階があります。第三者による認定や審査ではなく、事業者自身が宣言するものだという点がポイントです(出典:IPA)。

 coremeo-check の診断が、IPAのガイドラインのどの項目に対応しているかは、coremeo-checkとIPAガイドラインの対応関係で詳しく整理しています。

まずは無料診断で、現状把握から

 対策の第一歩は、「今どうなっているか」を知ることです。coremeo-check は、URLを入力するだけ・登録不要で、外部から見えるセキュリティの状態を5分で確認できます。攻撃的なアクセスは行わない設計です。はじめての方は、使い方の3ステップもあわせてご覧ください。

 なお、外部から見える診断はあくまで入口です。診断結果の読み解きや、内部を含めた優先順位づけに迷ったら、30分の無料相談で一緒に整理します。「うちはIT担当がいないから」という会社こそ、その前提を踏まえた現実的な進め方をご案内できます。

よくある質問

中小企業のセキュリティ診断は無料でできますか?

 外部から見える範囲であれば、無料で確認できます。当社の無料セキュリティ診断(coremeo-check)は、URLを入力するだけ・登録不要で、なりすましメール対策やHTTPSなど7項目を約5分で診断できます。サーバー内部まで踏み込む本格診断は、専門家による有料診断の領域です。

専門知識がなくても、自社でチェックできますか?

 できます。coremeo-check は結果を信号機の色(緑・黄・赤)で表示するため、専門用語が分からなくても、どこに問題がありそうかを把握できます。判定の基準は診断の評価基準で公開しています。

無料診断と、専門家による有料診断は何が違いますか?

 無料診断は「外部から見える弱点」を確認するものです。サーバー内部の設定やプログラムの脆弱性まで個別に調べる本格診断は、専門家が行う有料の領域になります。まず無料で現状を把握し、必要に応じて専門家に相談するのが現実的な順序です。

診断結果に不安があるときは相談できますか?

 はい。情報処理安全確保支援士が、結果の読み解きや対策の優先順位づけを30分の無料相談でご案内します。「IT担当がいない」という会社ほど、その前提を踏まえた現実的な進め方をご提案できます。

参考・出典:
・IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」(第4.0版・2026年3月27日公開):https://www.ipa.go.jp/security/guide/sme/about.html
・IPA「SECURITY ACTION」:https://www.ipa.go.jp/security/security-action/sa/
・Google「メール送信者のガイドライン」:https://support.google.com/a/answer/81126
・Let’s Encrypt 公式FAQ(証明書の有効期限):https://letsencrypt.org/docs/faq/

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この記事を書いた人

ソフトバンク株式会社で100社以上のネットワーク・セキュリティ支援、株式会社セブン&アイ・ホールディングス DX本部を経て、株式会社MintSparkを設立。情報処理安全確保支援士(登録番号 第004395号)。中小企業のIT/DX・セキュリティと、小規模店舗のMEO対策を現場目線で支援しています。

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