この記事のポイント(結論を先に)
- Googleは「すべての最終顧客は、常に自身のビジネス プロフィールのオーナー権限または共同オーナー権限を保持している必要があります」と明記しています。代理店がオーナーを持ち続ける状態そのものが、Googleの想定から外れています。
- 契約終了を伝えてから7営業日以内に、代理店は権限を返す取り計らいをする必要があります(ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー)。この日数を添えて書面で通知すると、話の進み方が変わります。
- 連絡が取れない場合は、オーナー権限のリクエスト。現オーナーは3日以内に返信する必要があり、返信がなければ申請できる場合があります。ただし「必ず取れる」手続きではありません。
MEO対策を外注していた代理店との契約を切りたい。ところがGoogleビジネスプロフィールのオーナー権限が先方のアカウントにあり、こちらから編集できない。中小企業からの相談で繰り返し出てくる状況です。
この問題にはGoogleが明文で定めたルールがあり、事業者側に有利です。ヘルプの原文にあたって、順に確認します。
大前提:オーナーは事業者、代理店は管理者
Googleは「ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー」で、代理店(サードパーティ)が守るべき事項を定めています。所有権については次のとおりです。
また、すべての最終顧客は、常に自身のビジネス プロフィールのオーナー権限または共同オーナー権限を保持している必要があります。
Google「ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー」(Google)
運用の推奨も具体的です。同ポリシーは、クライアントのプロフィールを作成し終えたらオーナー権限はビジネスオーナーに譲渡し、サードパーティは管理者として管理業務を行うよう求めています。クライアントがすでにプロフィールを保有している場合は、オーナーではなく管理者として招待するよう依頼することも同ポリシーに明記されています。
つまり、代理店がオーナーを持ち続ける状態そのものが、Googleの想定から外れています。交渉の出発点はここに置いてください。
契約を終了するとき、代理店には7営業日の期限がある
これが最も知られていない条項です。
最終顧客がサービスの利用を終了する手続きは、簡単なものでなければなりません。サードパーティは、最終顧客からの通知を受け取ってから 7 営業日以内に、当該顧客が次の 2 つのことをできるよう取り計らう必要があります。1)当該顧客のビジネス プロフィールを管理するために使用していた Google アカウントと、サードパーティが提供している管理サービスとの関連付けを解除する、2)当該クライアントがそのアカウントの排他的な管理を取り戻す。
同上(Google)
解約の意思を伝えてから7営業日。この日数を添えて書面で通知すると、話の進み方が変わります。
あわせて、次の行為はポリシー上禁止されています。心当たりがあれば、そのまま違反報告の材料になります。
- 代理店契約を結ぶまたは継続するよう、顧客に不当な圧力をかける
- 代理店契約を結ばなければプロフィールを失うことになると脅迫する
- プロフィールと引き換えに金銭を要求する
違反が認められた場合の措置も、同ポリシーに明記されています。Googleは、重大な違反があった場合にビジネスプロフィールや、その管理に使われているGoogleアカウントを停止することがある、としています。報告は同ページの「サードパーティ ポリシー違反の報告」から行えます。
連絡が取れない場合:オーナー権限のリクエスト
代理店が音信不通、あるいは担当者が退職して誰も権限を持っていない。この場合はGoogleの手続きに乗せます。
所有権をリクエストすると、確認メールが届きます。現在のプロフィールのオーナーにメールで通知が届き、そのオーナーは 3 日以内に返信する必要があります。
Google「ビジネス プロフィールのオーナー権限をリクエストする」(Google)
3日を過ぎたときの扱いも、同じヘルプに定められています。Googleは、返信がない場合は「オーナー申請をするという選択が可能な場合があります」としています。
リクエスト後の分岐は、別のヘルプページでより整理して書かれています。承認された場合はメールが届いて管理できるようになり、不承認の場合もメールが届き、その不承認に対して再審査を請求できます。
ここで注意したいのは、Googleが「可能な場合があります」という留保を明示している点です。3日経てば必ず取れる、という手続きではありません。また、承認・不承認の判断にかかる日数や、再審査が通る割合について、公式ページに記載はありません。
権限を取り戻した後、すぐには管理者を消せない
オーナーに戻ったら、旧代理店のアカウントを管理者から外します。ここで一点だけ制約があります。
オーナーと管理者になったばかりの場合、プロフィールのコンテンツや管理者を削除できるようになるまでに 7 日間お待ちいただく必要があります。
Google「Google アカウントからビジネス プロフィールを削除する」(Google)
権限移譲の直後は管理者の削除ができません。想定しておかないと「操作できない=失敗した」と誤解します。7日待てば消せます。
次に外注するときの決め方
取り戻した後、あるいはこれから外注する場合に、同じことを繰り返さないための線引きです。
- プロフィールは自社のGoogleアカウントで作る。作成そのものを外注しない
- 代理店は「管理者」として招待する。オーナーは渡さない
- 契約書に、解約時の権限返還について書いておく。Googleのポリシーは7営業日ですが、契約に明記があればさらに動かしやすくなります
プロフィールの実体はGoogleアカウントなので、守りはパスワードと多要素認証に帰着します。そのあたりは中小企業のパスワード管理と多要素認証(MFA)にまとめました。
そもそも自社で作った覚えがないのにプロフィールが存在している、という場合もあります。Googleはオーナー以外の情報源からもプロフィールを作るためで、その仕組みと自分のものにする手順は登録した覚えがないのにGoogleマップに店の情報があるで扱っています。
登録や運用の全体像はGoogleビジネスプロフィールの登録・最適化方法、MEO全体の進め方は中小企業・店舗のMEO対策 完全ガイドをご覧ください。
参考・出典
参考・出典:
・Google「ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー」:https://support.google.com/business/answer/7353941
・Google「ビジネス プロフィールのオーナー権限をリクエストする」:https://support.google.com/business/answer/4566671
・Google「重複するプロフィールと所有権に関する問題を解決する」:https://support.google.com/business/answer/12756178
・Google「Google アカウントからビジネス プロフィールを削除する」:https://support.google.com/business/answer/4669092
・(いずれも2026年8月14日閲覧。これらのヘルプページには版数・最終更新日の表示がありません)
この記事に関連するよくある質問
代理店にGoogleビジネスプロフィールの権限を持たれています。取り戻せますか?
取り戻せます。Googleは「すべての最終顧客は、常に自身のビジネス プロフィールのオーナー権限または共同オーナー権限を保持している必要があります」と定めており、代理店がオーナーを持ち続ける状態は想定から外れています。契約終了を通知してから7営業日以内に権限を返す取り計らいをすることも、サードパーティ ポリシーに明記されています。
代理店と連絡が取れません。どうすればよいですか?
Googleの「オーナー権限のリクエスト」を使います。リクエストすると現オーナーへ通知が届き、そのオーナーは3日以内に返信する必要があります。返信がない場合はオーナー申請ができる場合があります。ただしGoogleは「可能な場合があります」と留保しており、必ず取れる手続きではありません。

