AIに口コミ返信を書かせると、たいてい丁寧な文章が返ってきます。破綻もありません。それでも読み返すと、どこか他人行儀です。
原因ははっきりしています。そのAIは、あなたのお店を知らないからです。この記事では、AIがお店の「らしさ」に近づいていく仕組みを、実際の画面の動きに沿って説明します。
毎回ゼロから作るAIの限界
汎用の生成AIに口コミ文章を渡すと、その1件だけを材料に文章が作られます。前回どう返したか、そのお店がどんな言葉を使うかは、材料に入っていません。
足りていないのは、文章力ではなく情報です。前回どんな言い回しで締めたか。お客様をどう呼んでいるか。指摘を受けたとき、どこまで踏み込んで詫びる方針なのか。そうした判断材料が渡されないまま書かせれば、AIは一般論として最も無難な形を選びます。無難さ自体は間違いではありませんが、繰り返されると単調になります。
結果として出てくるのは、どの店でも成立する文章です。丁寧で、無難で、固有名詞のない返信。1件だけ見れば問題ありませんが、10件並ぶと様子が変わります。
同じ書き出し。同じ締め。同じ言い回し。読み手は、それが機械の出力であることに気づきます。気づかれた時点で、返信の意味は薄れます。返信というのは「お客様の声を聴き、気持ちを理解している」と伝えるためのものだからです。
実は見落とされがちなのは、返信が1件ずつ読まれるとは限らない点です。お店を検討している人は、口コミ欄を上から順にスクロールします。返信も一緒に流し読みされます。個々の完成度より、並んだときの印象のほうが効きます。
毎回ゼロから作るかぎり、この状態からは出られません。
そこで材料を変える必要があります。
お手本(事例)という考え方
材料として使えるものは、すでにみなさんの手元にあります。そのお店が過去に書いた返信です。
自店の返信には、意識していなくても癖が出ます。お客様の呼び方、感謝の言い回し、締めの一文。それらを次の文案づくりの材料にすれば、出てくる文章は自店の言葉に近づきます。
coremeo(コレミオ)では、これを「お手本(事例)」と呼んでいます。考え方そのものは単純です。うまく書けた返信を手元に残し、次に書くときの下敷きにする。紙のマニュアルでやっていたことを、画面のなかで済ませるだけです。
最初のお手本は、取込で用意する
導入した直後は、参考にできるものがありません。そこで、これまでにご自身で書いた返信を「過去の返信の取込」から取り込めます。
無料・全プランで使えます。AI返信の回数も消費しません。アカウントごとの累計で最大20件までです。
なお、Googleの口コミ一覧は既定で1ページあたり10件の表示です。取り込む前に画面下部の「1ページあたりの行数」を増やしておくと、選びやすくなります。
どれを取り込むかは、迷わなくてかまいません。基準は1つで、もう一度同じ場面が来たら、また同じように書きたい返信かどうかです。長さや文体が揃っている必要はありません。むしろ、高評価への返信と、指摘を受けたときの返信を両方入れておくほうが、後で効きます。
お手本を持てるのがPROプラン以上に限られる、ということではありません。 取込はFREEプランを含む全プランで使えます。
使いながら増えていく
お手本は、使うほど増えます。増え方は2つあります。
1つは、導入時の「過去の返信の取込」です。無料・全プランで使えます。
もう1つは、手直しして確定した返信を「お手本(事例)」として登録する経路です。こちらは一括返信モードで確定したときに行われます(PROプラン以上)。
ただし、返信文に連絡先などの個人情報が含まれている場合や、Googleのクチコミに関するポリシーに反する内容が含まれている場合は、参考にする度合いを控えめにするか、程度によってはお手本として登録しないことがあります。AIの下書きをほとんど使わず、ご自身でゼロから書き直した返信も、お手本としては登録されません。
これとは別に、AIが作成した下書きは、投稿したかどうかにかかわらず保存され、次の文案づくりの参考になります(全プラン)。お手本一覧に入るものとは別の扱いです。
なお、お手本はアカウント単位で蓄積されます。複数の店舗を運営している場合は、共有の範囲を設定で変えられます(MAXプラン)。
返信の順番を管理することと、セットで効く
お手本を貯めるだけでは、まだ半分です。もう半分は、返信という作業をどう回すかにあります。
未返信の口コミが並んでいるとき、必要なのは「どれから手をつけ、どこまで進んだか」を管理することです。文章の良し悪しとは別の問題ですが、実務ではこちらのほうが時間を食います。
なぜ順番の話が先に来るのか。当社が最初に向き合ったのが、文章が書けずに困っている現場ではなく、書く前の段階で止まっている現場だったからです。文案の質をどれだけ上げても、着手できなければ未返信は減りません。
そこで当社が取り組んできたのが、複数の未返信口コミを所定の処理順に従って管理する仕組みです。1件ずつ良い文章を作ることではなく、返信という作業そのものを順序立てて進められるようにすること。ここが出発点でした。
そして、この2つは組み合わせたときに効きます。一括返信モードのなかでは、確定された返信を同一の作業のなかで次の文案生成に反映する仕組みが働きます。これはPROプラン以上の機能です。 一連の作業を進めながら、その作業のなかで確定したものが次の材料に加わっていく形です。
順番に返信を進めていく作業と、その過程で材料が増えていくこと。この2つがつながっているところに意味があります。
この考え方について、当社は特許権を取得しています
株式会社MintSparkは、AIによる口コミ・レビュー返信の自動化に関する技術について、日本国内で特許権を取得しています(特許第7880190号・特許第7886077号・特許第7904665号・特許第7910836号)。なお、AIが作成するのは返信の下書きまでで、送信前に必ず人が確認します。
| 特許番号 | 発明の名称 | 登録日 |
|---|---|---|
| 特許第7880190号 | 情報処理システム、情報処理方法及びプログラム | 2026年6月17日 |
| 特許第7886077号 | 情報処理システム、情報処理方法及びプログラム | 2026年6月29日 |
| 特許第7904665号 | 情報処理システム、情報処理方法及びプログラム | 2026年8月4日 |
| 特許第7910836号 | 情報処理システム、情報処理方法及びプログラム | 2026年8月17日 |
各特許の権利範囲は、特許請求の範囲の記載に基づきます。
このほか、複数の出願が特許庁に係属しています。
各特許の特許請求の範囲および明細書の全文は、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)でどなたでもご確認いただけます。当社の説明だけで判断せず、原文にあたっていただけます。
J-PlatPat(独立行政法人工業所有権情報・研修館 運営):https://www.j-platpat.inpit.go.jp/
何をお手本にするかは、選べます
過去の返信をすべて材料にしてよいとは限りません。急いで書いた返信、いまの方針と違う返信もあります。
そこで、お手本まわりには利用者が選べる設定があります。どちらもPROプラン以上の機能です。
1つは、お手本の対象言語です。選べる値は「すべての言語(制限なし)」「日本語のみ」「英語のみ」の3つです。
もう1つは、「お手本(事例)に登録しない」チェックです。一括返信モードの画面にあります。チェックを入れた口コミと返信案は、お手本の一覧に追加されないだけでなく、同じ一括返信の作業中も含めて、以後の下書き作成の参考に使われません。返信を作成した記録(編集した量など)は残ります。
この設定は、運用が固まってから見直せば十分です。最初は既定のまま使い、方針と違う返信が混ざり始めた時点で、登録しない運用に切り替える。順序としては、そのほうが無理がありません。
材料を貯めることと、貯めるものを選ぶこと。この両方が手元にあることが大事です。
まとめ
AIがお店の「らしさ」をつかむために必要なのは、賢いAIではありません。材料です。
- 汎用のAIは毎回ゼロから作るため、どの店でも通用する文章になる
- 自店の過去の返信を材料にすれば、出てくる文章は自店の言葉に近づく
- 最初の材料は「過去の返信の取込」で用意できる(無料・全プラン)
- 材料を貯めることと、順番に返信を進めていくことは、組み合わせたときに効く
まずは手元にある過去の返信を取り込むところからです。何もない状態から始めるより、はるかに早く自店の文章になります。
よくある質問
AIに任せると、どの店も同じような返信になりませんか。
毎回ゼロから文章を作らせると、そうなりやすいです。自店の過去の返信を参照できる形にしておくと、言い回しや呼び方が自店のものに近づきます。coremeoでは、AIが作成した下書きは投稿したかどうかにかかわらず保存され、次の文案づくりの参考になります。
導入した直後は、参考にできる返信がありません。どうすればよいですか。
これまでにご自身で書いた返信を「過去の返信の取込」から取り込めます。無料・全プランで使え、AI返信の回数も消費しません。アカウントごとの累計で最大20件までです。
お手本にしたくない返信がある場合は、どうすればよいですか。
一括返信モードの画面に「お手本(事例)に登録しない」チェックがあります(PROプラン以上)。チェックを入れた口コミと返信案は、お手本の一覧に追加されないだけでなく、同じ一括返信の作業中も含めて、以後の下書き作成の参考に使われません。返信を作成した記録(編集した量など)は残ります。
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