小さな支援会社が3つの事業を持つ理由|IT支援に必要な「自分でやってみた」経験

IT・DX/セキュリティ、店舗集客のSaaS、マシンピラティススタジオという3つの事業を並べ、支援する側が当事者であることを示した図

ITコンサルティングと、店舗向けのSaaS開発と、ピラティススタジオの運営。

事業がバラバラで、結局どれが本業なのか

とご相談の場で、実際にそう聞かれることがあります。会社の規模は決して大きくありません。もっともな疑問だと思っています。

 この記事では、その疑問にお答えしようと思いまとめました。

目次

この記事で伝えたいこと

  • 3つの事業の軸は1つ。中小企業と個店の「ITのかかりつけ医」になることです
  • かかりつけ医には、専門の深さと同時に相談を受け止められる幅が要ります。そのために自分たちで事業をやっています
  • 自分でやると、支援先と同じ痛みを一次情報として持てます。採用の難しさ、一般のお客様を相手にする難しさ、自社の環境を自分で守る手間。どれも人から聞いた話ではありません

事業がバラバラに見える

 当社は2024年3月に設立した会社です。

 主にご支援しているのは、主に中小企業と個店の皆さまです。

 この規模で事業領域を複数持つのは、効率のよい形ではないと自覚しています。人も時間も限られるなかで注意力が分散し、どの領域も中途半端になりかねない。それでもこの形を選んでいるのは、「支援する側が実際に事業をやっていると、支援の質を上げることができる」という経験があるからです。

3つの事業が、実際に何をしているか

1. IT・DX/セキュリティのコンサルティング

 中核の事業です。ネットワークやセキュリティの基盤整備から、社内にIT担当者がいない会社の情報システム業務の代行、DXの進め方の設計までを担います。代表の堤は通信キャリアや流通グループ、MaaS領域で20年以上、ネットワーク・セキュリティ・DX・新規事業開発のプロジェクトに携わってきました。

2. 店舗集客のSaaS「coremeo(コレミオ)」

 Googleマップ経由の来店を増やすための、店舗向けのツールと運用支援です。プロダクトを自分たちで開発し、自分たちで運営し、また自分たちで活用しています。

「ツールを紹介する」のではなく、「ツールを実際に使う」側に立っています。

3. マシンピラティススタジオの運営

 銀座一丁目で、完全個室のマシンピラティススタジオ「Pilates Beauté Ginza」を企画・運営しています。

 設備はSTOTT PILATES®/Merrithew®の公認機材を導入しています。Merrithew®は、公式サイトによれば35年以上にわたり指導者や施設を支援し、世界で90,000名以上の指導者に採用されています。

 この事業は、当社にとって「支援先と同じ立場に立つための実店舗」です。予約が入らない日の焦り、口コミへの返信、スタッフの採用と教育。中小の店舗経営者が日々向き合っていることを、代理ではなく自分の事業として経験しています。

軸は1つ——「ITのかかりつけ医」であるために

 当社が目指しているのは、専門領域だけを切り出して請け負う業者ではなく、町のかかりつけ医のような立場です。

 かかりつけ医は、何でも自分で治すわけではありません。ただ、患者が「なんとなく調子が悪い」と持ち込んだ話を受け止めて、これは自分で診る、これは専門医に回す、これは様子を見てよい、と切り分けます。この切り分けには、狭い専門知識だけでは足りません。ある程度の広さがないと、そもそも相談を受け止められないのです。

 中小企業の経営者からのご相談は、最初から「ネットワークの設計をお願いしたい」という形では来ません。「請求書の処理が追いつかない」「新しい人が入るたびにパソコンの用意でつまずく」「口コミに返信したほうがいいと言われたが手が回らない」といった業務の困りごととして持ち込まれます。それをITの言葉に翻訳して、優先順位をつけて、わかりやすくお伝えする。ここが当社の仕事の中心です。

 代表メッセージにも書いているとおり、当社が大切にしているのは「難しいカタカナや最新トレンドを語ること」ではなく「現場で使い続けられる形に落とし込むこと」です。そのための幅として、3つの事業があります。

当事者になって初めて分かったこと

 「実践に根ざした支援」という言葉は、それ自体では何も証明しません。自分で事業をやったことで具体的に何が変わったのか、3つ挙げます。

IT人材は「採ればいい」では済まない

 社内にIT担当者がいない会社に対して、「専任を1人採用しましょう」と提案するのは簡単です。ただ、当社自身がこれまで採用責任者として向き合ってみると、話はそこで終わりませんでした。求める技術と待遇が釣り合わない、入ってもらえても任せられる業務の幅が読めない、その人が辞めたら知識が丸ごと消える。

 この経験があるので、当社は「まず採用」を安易に勧めません。何を内部に置き、何を外に出し、何を仕組みで代替するかなど順番の設計から入ります。

一般のお客様を相手にする難しさ

 法人向けの仕事だけをしていると、この難しさは分かりません。スタジオの運営では、一般のお客様と直接向き合います。予約の導線が1つ分かりにくいだけで来店に至らない。丁寧に書いた説明文が、まったく読まれない。ご要望が言葉にならないまま離れていく。

 店舗集客のご支援をするとき、この体感があるかどうかで提案は変わります。「口コミを増やしましょう」で終わらせず、誰が・どの場面で・どんな気持ちで書くのかまで踏み込めるのは、自分の店で試しているからです。

自社のサイトで、先に試す

 セキュリティの話は、当事者性がいちばん出る領域です。当社が提供している無料の診断ツールは、まず自社のサイトに対して使い、判定の内容や表示の分かりにくさを確かめてからご案内しています。当社は、IPAの「SECURITY ACTION」(中小企業が自ら情報セキュリティ対策に取り組むことを宣言する制度)で二つ星を宣言しています。

 考え方としては、「対策を入れた」で終わらせず、入れた対策が想定どおりに働いているかを記録で確かめるところまでを一続きにしています。

広く浅くにしないために

 幅を持つことと、浅くなることは違います。深さを保つために、次のことを決めています。

  • セキュリティの記述は一次ソースのみに基づく。
    • IPA・JPCERT/CC・経済産業省・総務省・RFC・ベンダー公式に当たり、確認できないことは書きません。たとえばIPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」は第4.0版(2026年3月27日公開)で、「情報セキュリティ5か条」がバックアップの項目を加えて6か条になっています。
  • 技術は自分たちで作る。
    • 株式会社MintSparkは、AIによる口コミ・レビュー返信の自動化に関する技術について、日本国内で特許権を取得しています(特許第7880190号・特許第7886077号・特許第7904665号・特許第7910836号)。取得した特許は他社でもご活用いただけるようライセンスプログラムを用意しています。
      各特許の権利範囲は、特許請求の範囲の記載に基づきます。(特許ライセンスプログラム
  • 順番を提案する。
    • 今やるべきことと劣後させてよいことを整理しご提案します。この際、切り分けて外部の専門家にお繋ぎするほうが、お客様の利益になる場合はその点も含め整理することで、お客様の事業成長への貢献を最大化します。

ご相談について

 まずは「何を相談すればいいか分からない」という段階で構いません。現状を一緒に棚卸しし、「今やるべきこと」「まだやらなくてよいこと」を整理するところから始めましょう。

 自社のウェブサイトの状態を先に知りたい場合は、無料の診断ツールもご用意しています。URLを入力するだけで、なりすましメール対策やHTTPS、WordPressの公開状態などを確認できます。登録は不要です。

よくある質問

結局、本業はどれですか。

 中核はIT・DX/セキュリティのコンサルティングです。

 店舗集客のSaaSとピラティススタジオは、そのコンサルティングの質を上げるために自分たちで運営している事業ですが、特にピラティススタジオは人間の健康への貢献という側面もあり注力しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。(当社がピラティススタジオを運営する理由

小規模な会社に頼んで、途中で立ち行かなくなりませんか。

 当社は対応できる範囲を超えて受注しない方針です。そのため状況によっては着手の順序やタイミングをご相談する場合がございます。また当社が手を動かせない領域は、外部の専門家とタッグを組んだご提案をいたします。

ピラティススタジオの運営は、IT支援と関係がありますか。

 あります。店舗を実際に経営することで、予約の導線、口コミ運用、スタッフの採用と教育といった、中小の店舗経営者が向き合う課題を自分の事業として経験できます。この経験は、店舗集客のご支援に直接使っています。詳しくは関連記事に書いています。

急いでいる相談でも、順番待ちになりますか。

 セキュリティのインシデント対応など緊急性の高いご相談は、状況の切り分けを優先してお引き受けします。「今すぐ対処すべきか」「他の専門家が適切か」の判断は短時間でもお役に立てます。まずはご連絡ください。

まとめ

 3つの事業は、分散ではなく「かかりつけ医であるための幅」です。そして幅を持つことの意味は、肩書きではなく一次情報にあります。日常で起こる問題や懸念に対する対処を一緒に考え伴走できる体制を組んでおりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

参考・出典

参考・出典: Merrithew®公式「About Merrithew」(公式サイト/閲覧日 2026年9月4日。同ページは更新されるため、引用時点の記載である旨を明記します)/IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版(2026年3月27日公開、プレスリリース案内ページ)/IPA「SECURITY ACTION」(中小企業が自ら対策を宣言する制度、公式ページ)/会社概要・代表メッセージは会社情報および代表メッセージに基づく

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